今週の米国株市場はまさに“明暗分かれた決算ウィーク”。
Google(アルファベット)、Amazon、NVIDIA、MetaといったAI銘柄の主役企業たちが次々に決算を発表し、投資家の注目を集めました。今回は、日本株・米国株の動きをまとめながら、今後の投資戦略に活かせる学びを整理していきます。
日本株市場:史上最高値圏に突入
まずは日本株から見ていきましょう。
今週の日経平均株価はついに52,000円台に到達し、10月単月の上昇幅はなんと7,000円超。
2025年は“持ち続けた投資家が報われた年”となっています。

特に半導体関連株の好決算が市場を押し上げました。
中でもアドバンテスト(6857)は、AI需要の波に乗り株価が年初来で約4.6倍に。
底値5,000円台から23,000円を超える急騰は、まさに「AIバブル第2章」ともいえる勢いです。

為替:円安が進行し、投資家に追い風
為替市場ではドル円が1ドル=154円まで円安に進行。
直近30日間では150円前後のレンジを維持しており、為替変動による米国株の円換算利益が拡大しています。
円安トレンドが続く限り、日本からの米国株投資にとってはプラス要因が続きそうです。

米国株市場:NVIDIAの躍進とGAFAMの明暗
S&P500指数の動き
S&P500は史上最高値を更新したあと、やや反落して週を終えました。
年初来での上昇ペースは鈍化傾向ですが、依然として強い地合いが続いています。

NVIDIA(エヌビディア):時価総額5兆ドルの衝撃
今週最も市場を驚かせたのは、NVIDIAが時価総額5兆ドルに到達したニュースです。
AIインフラ需要の拡大を背景に、株価はさらに上昇。
ノキアやオラクルとの提携発表、米エネルギー省とのスーパーコンピュータ構築プロジェクトなど、AI経済圏の中心企業としての地位を確立しています。

GAFAMの動向まとめ
Google(アルファベット)
10月29日の決算は好調。広告とクラウドの両部門で成長を維持し、AI開発の成果が着実に反映されています。
特にGoogle Cloud部門の売上伸長が顕著で、AI時代のインフラ企業として再評価が進みました。
年初来の株価は約50%上昇しています。


Apple(アップル)
iPhone販売が堅調でEPSも市場予想を上回りましたが、翌日には株価がやや反落。
AI関連事業への出遅れ懸念が重しとなり、他のハイテク株に比べると上昇幅は控えめです。

Meta(メタ・プラットフォームズ)
Facebookで有名なMetaは決算後に株価が13%急落。
AI開発に巨額の投資を続けているものの、成果が見えず市場が失望。
データセンター建設やAI人材への高額報酬など、支出の増加が株価下落の要因です。

Amazon(アマゾン)
クラウド部門(AWS)の売上成長率が20%を突破し、株価は10%超の急騰。
AI開発では出遅れ感があるものの、AIインフラの基盤を支える“裏方の王者”として再評価されました。

Microsoft(マイクロソフト)
決算では売上が予想を上回った一方、AIデータセンターへの設備投資が市場予想を超過。
短期的には株価がやや下落しましたが、ChatGPT連携など長期テーマとしての注目度は依然高いです。

その他の注目決算銘柄
バークシャー・ハサウェイ
バークシャー・ハサウェイも決算発表がありましたが株価の値下がりが続きました。ウォーレン・バフェット氏がCEOを退任すると発表をした2025年5月の後はズルズルと株価が下落し続けています。“バフェット・プレミアム”が薄れるとの懸念から、アナリストの一部は売り推奨に転じており、実際に株価の下落が続いています。


スターバックス
7四半期連続の減益が続き、決算ではEPSが市場予想を下回りました。
一週間で大幅下落となり、経営再建への注目が高まっています。

今週の学び:AI投資の潮流を読む
AI関連銘柄に資金が集中していることは明らかですが、細分化して見ると勢いの違いがあります。
| 分野 | 動向 |
|---|---|
| AIインフラ(クラウド/半導体) | Google・Amazon・NVIDIAが好調。売上・利益ともに拡大。 |
| AI開発そのもの(ソフトウェア) | 投資負担が重く、Meta・Microsoftは短期的に苦戦。 |
| AI応用(自動運転・産業利用) | 自動運転で有名なテスラや、日本メーカーも活用が進んでいる。今後の注目分野。 |
| データ・コンテンツ関連 | Googleなどが恩恵を受け、安定的に成長。 |
この構図は、まるで“ゴールドラッシュで金を掘る人よりもツルハシを売る人が儲かった”という逸話を思い出させます。つまり、「AIを作る企業」よりも、「AIを支える企業」に利益が集中しているのです。
今読むべき2冊の投資書籍
『高速取引・AI・アルゴのやっかいな値動きに負けない 弱者でも勝ち続ける「株」投資術』(伊藤智洋 著)
AI時代の値動きの特徴と、個人投資家がどう立ち回るべきかを解説。
生成AIを使った情報収集・分析の方法まで網羅しています。

『生成AI投資の教科書』(ジョン・シュウギョウ 著)
AIが変える株式市場構造を分析し、長期・短期を組み合わせた実践的戦略を紹介。
現代投資家が知るべき「AI×投資戦略」を学べる一冊です。

カブジュンの投資戦略(2025年11月1日時点)
| 資産分類 | 評価額 | 評価損益 |
|---|---|---|
| 米国個別株 | 約920万円 | +128万円 |
| オルカン積立 | 約43万円 | +3.7万円 |
| 自社株積立 | 約69万円 | +12万円 |
| 日本個別株 | 約0.9万円 | -0.05万円 |
| 現金・預金 | 約365万円 | ±0 |
| 合計 | 約1,400万円 | +144万円 |
現金比率がやや高いため、次の追加投資先を検討中。
AI周辺銘柄への新規投資を継続しつつ、急落局面での買い増しを狙っています。
まとめ:AIが“投資対象”と“投資環境”を同時に変えている
- AIテーマ株では、開発企業よりも素材・インフラ提供企業に注目。
- AIの進化によって、市場構造そのものも変化中
投資手法もAI時代に合わせて進化させる必要があります。
AIはもはや一時的なブームではなく、“投資判断そのものを変える技術”になっています。
これからの投資家は、AIを「投資対象」としても、「投資のための使うツール」としても活用するする時代となっています。
カブジュン投資部について
2006年に企業型DCで投資を始め、2007年から不動産投資もスタート。
2025年は「成長に投資する」をテーマに、米国株・日本株・NISA・iDeco・不動産を組み合わせた複合投資を実践しています。
カブジュン投資部では、毎週の株式市場ニュースと実践的な投資知識をわかりやすく解説しています。今週の記事が役立ったと感じた方は、ぜひコメントやSNSで感想をシェアしてください。
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